救急看護のエリートとも言われるフライトナース。ドクターヘリに搭乗して看護を行うナースのことです。フライトドクターに同行して救急看護を行うのが主な役目ですが、患者さんやご家族へのケアもフライトナースの大事な役割になります。
フライトナースの勤務形態は、一般的な看護師とほとんど同じで、基本シフト制です。ドクターヘリは緊急時に出動するため、毎日フライトナースとしての業務が発生するわけではありません。フライト要請がない日には救急看護師として、救急搬送された患者さんや時間外診療への対応などにあたります。
いつでも出動できるように、出勤したらまずは出動前の物品確認、点検などを行います。出動要請に備えてフライトスーツと無線機を着用し、すぐに出動できるよう待機しておくのが基本です。また、当番の日に同行するフライトドクターとのMTGも欠かせません。カンファレンスや天候の確認なども行います。飛行中に患者さんに関する情報を得ながら治療方法や搬送先などを決定し、現場ですぐに動けるように体制を整えておくのです。
現場ではドクターのサポートだけでなく、自らが率先して状況判断、医師への報告、処置などを行うケースも少なくありません。緊迫した状況であれば、ご家族がパニック状態に陥っていることもあるため、看護師が心の支えとなって状況の経緯を聞き出す必要があります。
出動回数は日によって異なりますが、多ければ一日に数回出動する場合もあるようです。搬送先の病院もまちまちなので、申し送りも都度必要となるため、フライトナースとして出動中は常に臨機応変な対応が求められます。